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「SNOOPY×JAPANESQUE~スヌーピー×日本の匠~展」を観る

 スヌーピー・キャラクターと日本の伝統工藝作家とがコラボレーションした展覧会を観る。今から六年前の二〇〇八年、『大谷芳照が訳したスヌーピーの世界展』として 同じ金沢二十一世紀美術館でスヌーピー展があった。大谷はこの展覧会中に石川の伝統工藝と縁が出来てコラボを発案したという。以来、全国を駆け回って、各地の伝統工藝でスヌーピーを製作することをお願いにまわったという。きっかけがあの時のここ金沢ということで、本人の解説も力が入っていた。だから、前回はアーティストとしてだが、今回は総合プロデューサーとしての立場がメインである。
 塗り物や欄間・一刀彫り、鍛金、友禅、ミキモト真珠など。手間暇のかかったスヌーピーたちが並ぶ。ポーズに制約があり、体の部位の縮尺も厳密に決められていて、規格に合致してようやく財団から公認されるのだという。
ギャラリートークでの大谷氏は、何とも饒舌であった。彼のとって伝統工藝との出会いは新鮮だったらしく、我々伝統工藝王国の住人はよく知っている漆器製作の大変さなどを、口角泡を飛ばして説明していた。
 モチーフが愛らしく大衆的であることと、何ヶ月、何年もかけて匠の技を駆使して仕上げる緻密さや「和の伝統」とに大きな隔たりがあって、その対極がうまくバランスしているところが魅力だと感じた。「手間暇かけて出来上がったのが漫画のキャラクターですか」といった落差。しかし、だからこそ、あまり伝統工藝に興味のなさそうな若年層が熱心に細かいところまで観察して感心している様子は、まさにこの展覧会の狙い通りといったところ。
 この種の展覧会らしく、最後には大量のグッズの販売コーナーが……。今回は伝統工藝とのコラボということで、それなりのお値段の品も多かった。愚妻はスヌーピーの「風神雷神」のクリアファイルを購入。
by hiyorigeta | 2014-08-29 21:15 | 行ったところ | Trackback | Comments(0)

荷風散人宜しく金沢をぶらぶら歩きし、日々の生活をつづります。テーマは言葉・音楽・オーディオ・文具など。http://tanabe.easy-magic.com/


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