2016年 02月 16日
天気に任せて
そもそも農家は、冬の間、まとまった収入がなく、男手も縄を編んで春からの仕事の準備とか、草鞋を編む程度の内職をしてすごした。大工さんなどは荒天の日は仕事にならず、酒など飲んでいたのではないかと思う。江戸時代はまずそうだ。
昭和三十年代くらいまでは、時化の時は漁業の方ばかりでなく、町の魚屋さんの店頭にも魚がなくな り、店をさっさと閉めていたねえという話を同僚がしていたので、では、冷蔵庫が普及するまで、町に一軒あった氷屋さんは、冬の間どうしていたのだろうねという話になった。おそらく、そこのご主人は、冬の間、仕事をせず、別の仕事に就いていたのではなかったかしら。
昔はこうして、自然のめぐりにあわせにあわせて商売をしていた方が多くいた。それが不思議なことでもなんでもなかった。今、自然にあわせて、出来ない時は休むという仕事の動きの人は、かなり特殊の部類ではないかしら。若い世代が見ると、ヤクザな商売のように思ったり、なまけているように見えたりするのではないか。
給料取りのように決められた時間通りに出退社する生活もあるだろうし 忙しい時は忙しいが、暇な 時は暇という生活パターンもある。いろんな生活パターンで人が動くから、世の中がうまく動いているのである。