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花が判らない

 授業で梅の花が出て来たので、何時頃咲くのか尋ねたが、判らないと言われた。桜の前か後かと聞いても駄目だった。
 超メジャー(!?)な梅でも駄目なのか、というちょっと残念な感慨。どの時期に何が咲くかという四季の変化の感覚が、今の生活、かなり抜け落ちているからだろうなあ。大都会ならともかく、外を歩いていると自然に判りそうなものなのに……と思うが、そうなっていないのが現実。
 例えば、今は、幼稚園も校庭を潰して、体育館のような建物を作り、運動はそちらでするようになった。全天候型で汚れず、今問題になっているご近所への騒音問題も解消できる。でもそれで、そもそも外にいること自体が昔より減った。
 その上、以前もこの日誌で嘆いたことがあるが、行き帰りは絶対親が担当することになっている。ちょっと遠い人は、車での送り迎え。これでは、外の空気を吸う暇がない。実感として、何時どんな花が咲くか判らなくなるのは当然である。それに、ネットの住人となって現実世界から遊離中の若者も多く、子供時代も思春期も花とは無縁のまま大きくなる。

 向日葵の柄を秋に来たらダサイというのは、さすがに誰でも判る。夏に向日葵のTシャツのように、オンタイムで着るのは、まあ、普通レベル。梅の模様の服を、まだ寒い冬の終わり頃、実際に梅の咲くちょっと前にあたりに着るのがお洒落というものである。その子が、春を呼ぶ花のように煌めいて見えるでしょ。女子力高くなるよね。そう解説したら、女子は苦笑していた。
 ファッションは、古典の昔も、季節をほんの少し外して「先取り」して着るのがお洒落で、これは今と一緒だという結論にもっていこうとしたのだけれど、まったくもって最初の段階でつまづいてしまって、年寄りは困りました。
by hiyorigeta | 2016-09-26 21:43 | 文学・ことば | Trackback | Comments(0)

荷風散人宜しく金沢をぶらぶら歩きし、日々の生活をつづります。テーマは言葉・音楽・オーディオ・文具など。http://tanabe.easy-magic.com/


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