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窯業

 三日ほど前、芸術品の完成には、焼き物の「窯変」のように、最後に神にまかす部分があるという文章を解説していて、まずこの「窯(かま)」の音読が分からないだろうと、脱線をして、言葉の解説をいくつかした。
 「よう」と読めない人が多い。窯をつかう「窯業」とは具体的にどんなものを作っているのかという質問も、ほとんどわからない。ガラス、陶磁器、ホウロウ、コンクリなどいろいろあるが、仕事の現場を見たことがないし、そもそも、窯業の現場は労働条件がよくなくて、あまり現代っ子の視野に入ってくる仕事ではないという意味合いもある。
 ではと、以前にもここに書いたことがあるように思うが、「鋳造」を読めという問題も出してみた。これは読める人読めない人それぞれ。意味はクラスで若干名分かるというくらい。
 ついでに「鍛造」も聞いた。一人だけ手を挙げて「叩く」と答えて正解した子がいた。ほら、例えばアルミ・ホイールでも鋳造と鍛造では値段が全然違うという話をしたが、一部の生徒は、料理に使うアルミホイルと聞き間違えて、はてなマークが飛んでいた生徒がいたようだ。
 高校生は、昔、車に興味のある生徒が多く、そんな間違いはあまりなかったと思うが、今、車はあこがれる存在でもなく、車のおしゃれは足元(ホイール)からみたいな常識も通用しないみたいである。だから、アルミホイールの話自体が、単なる車の部品の話以上のニュアンスを感じないということになる。
 通学指導していても、生徒の自転車はママチャ リ型ばかりで、かっこいいスポーティタイプはほとんどなく、ごく一部、一気にマニアックなMTB風という分布である。空気圧の低いタイヤばかりなのはすぐに気がつくし、座面も多くの場合低すぎる。しっかり漕げる高さではない。自転車で格好つけるということの意味合いが著しく低下して、単なる実利品になっているからであろう。
 今朝の朝指導は、思ったより気温が高く、温暖で助かった。
 
by hiyorigeta | 2016-12-19 04:25 | 文学・ことば | Trackback | Comments(0)

荷風散人宜しく金沢をぶらぶら歩きし、日々の生活をつづります。テーマは言葉・音楽・オーディオ・文具など。http://tanabe.easy-magic.com/


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