間違った情報で

 アイドルグループ「私立恵比寿中学」のメンバーの一人(十八歳)が二月上旬急死し、この土曜日に偲ぶ会があった(ファンの生徒が横浜まで参列しに行ったが、部活練習欠席の理由は「法事」となっていて、確かに嘘はついていないねえと、微笑ましかった)。一か月前にNegiccoと共演したばかりで、ネット映像で観ていたので、どの子がなくなったのかは私も判る。背の高い上品な感じの子である。テレビは、このことで、この業界の低賃金体質などブラックな面をいくつか指摘していたが、突き詰めると、マスコミ業界自体の体質もあばかないといけないことになり、この話題をネタに番組にアイドルを出演させるなどすることで、なかなかしたたかなやり方で、お茶を濁していた印象であった。

 彼女の死因は致死性不整脈という。当初、別の病名がまことしやかに世間に流れ、皆それを信用して、大量コメントがネット上に流れた。虚偽の情報らしいという話がその次に流れ、一気に病名がらみのコメントはなくなった。嘘に左右され、膨らんだりしぼんだりする様子が、いかにも今のネット社会を象徴するようであった。

 ネット社会の住人は、話題に乗ろうと、すぐにツイッターで呟く。なにしろ、SNSの魅力は、その「即時性」にある。すぐにそれに関したいろいろな情報が入手・発信できる。そして、それは大きな力にもなるが、よく考えれば、もともとはその時々の情報に対する素朴な反応でしかないので、情報の真偽も確認せず、深く考えもしないその場限りの「刺激と反応」の「反応」のような泡沫言説のはずのものが広く流布し、それが「世論」として利用されるということも起こり得る。なんだか怖いなあ。

 例えば、この前、ニュースになっていた話。
 悪意があるねつ造の記事がブログにアップされ、それが色々なSNS経由であっという間に拡散した。写真もそれらしくみえるが全然関係ないもの。結果、当該団体に、それを信じた人から非難中傷のメールやら電話が殺到。後、事実無根である旨の検証記事がネット上に出ていたが、そのコメント欄には「火のないところに煙はたたない」式の疑いの文言もたくさんあった。残ったのはその団体の信用の失墜、とまでいかないまでも、信用に傷がついたことには違いない。ブログ作者の所期の目的は十分達成されたことになる。こうした災難、いつ何時、自分に降りかかってくるかわからない。

 今のいじめは、気に入らないからとかではなく、今 度は誰々にしようという風に、ターゲットが次々と移りゆくという形をとる。コテンパンにして次へ。
 ネットの世の中、起こっているのは、これと同じような無差別いじめではないかしら。話の場が、クラスとか小さなサークルから日本全体に拡大しただけ。

 そういえば、今年就任した自国中心主義の某大統領は、どんどんツイッターで呟いている。大統領の発言は公式的な意味を持つと思うが、ちゃんと政府各機関との折り合いつけてからしゃべっているのかしら。公職とはいえ、個人サイトの「つぶやき」に、世界各国が右往左往しているのって、何か変。
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by hiyorigeta | 2017-02-28 22:13 | 日々の生活 | Trackback | Comments(0)

荷風散人宜しく金沢をぶらぶら歩きしたり、日々の生活や趣味をつぶやいたりするブログです。アップが日付順でないことがあり、また、文字ばかりですが、ご容赦下さい。http://tanabe.easy-magic.com


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