アマチュア・オーケストラを聴く

 金沢医療センター(旧国立病院)のホールであった医療関係者で構成されたアマチュア・オーケストラの演奏で、ベートーベン交響曲第七番を聴いた。観客には入院中の患者さんもちらほら。立ち見も出る盛況。昨年、OEKの生を聞きそびれていたので、院内の張り紙でコンサートを知り、時間的な都合もついて、聴くことができた。
 いくら愛聴曲でも、生演奏を聴く機会はそうそうないので、久しぶりに聴いて、色々発見があって楽しかった。例えば、主旋律が最初弦楽器で、後半再現部では木管で、なんていうのはCDを聴いていても気がついていたが、ぞれぞれ奏者が座っている場所が左右に分かれていたので、音の方向が違っていて、音場的な楽しさを実感したり、木管群でメロディをつなげているのは分かっていたが、四つの違う楽器を使って受け継いでいたかとか、実際に手を動かしているところを見ないとわからないことがたくさんあった。
 どういうところが難しいのだということが分かるのも、アマチュア楽団の演奏ならでは。CDでは涼しく通り過ぎているところも、実際は結構大変だということがわかる。弦は中低音はそれなりに響くが、急な高音は濁ることが多い上に、音がブツ切れになる。弦では急に入る高音の音の溶け合いが難しいなんてことも、実際に聴いてみてはっきり分かる。そうしたことに気がつく。つまりは、聴くこちらが勉強になる。
 七番なので、全体的に最強奏の時間が長く、もう力いっぱいの演奏になる。小さな講演会仕様のホール(大会議室?)に、弦と管がガンガンと響くのは快く、室内オーケストラ規模ながら、大迫力であった。
 演奏曲目は有名曲ばかりで、他に「ウイリアムテル序曲」、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第二番」では独奏のピアノ奏者も初老の「先生」と呼ばれる方で、素人芸を超えてジャラジャラと余裕を持って弾いていて素晴らしかった。アンコールは「乾杯の歌」で、これには、盛装した男女による歌も入り、全体として判りやすくバラエティに富んでいて、この場にふさわしい選曲であった。
 そもそも七番は聴いていて元気が出る。先日、ラジオの音楽番組の投書で、「元気がない時は、第一楽章の序奏が終わったあたりから聴く」というのが読まれていて、あれあれ、一緒だと、うれしく思った覚えがある。
 地元にこうしたオーケストラがあることも、定期的に公演をしていることも知らなかった。忙しくて責任のある医療を仕事にしながら、趣味で楽器の演奏を続けるというのは大変だけど、ステキなこと。患者さんも、ああ〇〇科の看護師さんだ、などと、頑張っている様子に感銘を受けるだろうし、そうしたことも大切なことだ。

[PR]
トラックバックURL : http://hiyorigeta.exblog.jp/tb/27225464
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by hiyorigeta | 2017-08-28 20:51 | 音楽・ジャズ・オーディオ | Trackback | Comments(0)

荷風散人宜しく金沢をぶらぶら歩きしたり日々の生活をつぶやいています。文字ばかりですがご容赦下さい。時々日付をさかのぼってアップしたりします。http://tanabe.easy-magic.com


by hiyorigeta
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30