豊岡方面文学旅行(2)

 翌朝、その出石(いずし)に移動。そもそも、出石という城下町があること自体知らなかった。五万八千石。関西圏では日帰り観光地として有名のようだが、石川県人はこのあたり以西の土地勘がほとんどない。
 ほぼ一番乗りで駐車場に到着。まず、山裾にある出石城跡を散策。ランドマークの辰鼓楼(時計台)は、工事中で覆いがかけられていて見ることができなかった。復元された 江戸時代の芝居小屋「永楽館」も、本日貸切のため閉館ということで、中に入れず残念であった。
 「出石家老屋敷」で、係から、山頂に戦国時代には有子山城があり、江戸初期に裾に下りてきたことなど、町の歴史を聞いた。それで、中途半端な山裾に城がある理由もわかった。築城時、すでに平和になっていたのである。
 また、有力商家の邸である「豊岡市立史料館」を見て回った。広い敷地に、立派でお金をかけた建物が建っていて、蔵には甲冑などの展示もあり、見ごたえ十分。
 他に、地元出身の画家、伊藤清永の作品を集めた「豊岡市立美術館」も見学。この出石も豊岡市となっている。豊岡は今は九万を超す大きな町である。伊藤の絵はルノアール・ゴーギャンのタッチ。二階の夏期特別展 である畦地梅太郎版画展も観る。
 昼ごろになると、観光地らしい大変な賑わいになっていて、こんな人気スポットだったのかと驚く。但馬の小京都と言われているらしいが、確かに飛騨高山のあまり俗化されていない版といったところである。純白の焼き物(出石焼)も有名という。陶磁器の店に入ったが、それなりのお値段。一歩、観光の通りを外れると、毛糸屋さんなど昭和の匂いのする個人商店が未だに元気にご商売をしていて、軒並み潰れている中規模地方都市の人にとっては、懐かしい感じがする。
 繁華の道をはずれ、人通りが少ないところにある、漆喰を塗らない茶色い土蔵が印象的な造り酒屋に入る。そこの若女将からの試飲を受けて、原酒の四合瓶を買う。しっかり系の甘口。
 そこで 紹介された近所の出石蕎麦の店も大当たりで、美味しい地元名物の蕎麦を賞味できた。国替えで、殿様が信州から蕎麦職人をこの地に連れてきたのが起源という。小皿が何枚もというのがこちらのスタイルで、生卵ととろろが付く。
 蕎麦を運んできた方によると、酒蔵の若い女性は十五代目の跡取りのところに、よそから嫁いできたお嫁さんだそうで、まだ新婚さんといえるくらいという。老舗にお嫁さんがきて、ご近所は安堵しているという話だった。完全なご近所話題だけど、確かに若い女の子が老舗に嫁ぐには決心がいったことだろう。こんな話が、蕎麦が来るまでの間の世間話。
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by hiyorigeta | 2017-08-30 21:33 | 行ったところ | Trackback | Comments(0)

荷風散人宜しく金沢をぶらぶら歩きしたり日々の生活をつぶやいています。文字ばかりですがご容赦下さい。時々日付をさかのぼってアップしたりします。http://tanabe.easy-magic.com


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