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絞めなおしをすればいいだけだったのに


 扇風機が壊れているので買い替えてほしいと部員に言われ、その扇風機を見た。羽根をガードする覆いがぐらぐらしている。すぐに前面の覆いを開けて、羽根をはずし、後ろのガードを止めている手で回せる大きなネジ絞めを絞めなおす。それでぐらつきはなくなった。そこで、もとに戻し、回してみると、今度は回転がグラグラしていることに気づいた。よく見ると、羽根が割れている。ガードのぐらつきをそのままにして使っていたので、ガードが羽根に当たって、樹脂の羽根が割れてしまったのだ。こうなると、もう、どうしようもない。
 扇風機は、夏が終わると片づける。その時、昔は、ガードや羽根を外して段ボールに入れなおすことも多く、上部が分解できることは多くの男の子が知っていた。
 おそらく今は、扇風機自体が安物になり、使い捨て感覚。かつ、いちいち上部を分解して片づけなくなっているのだろう。正直、我が家もそう。
 それに、昔ほど、物を作ってみる、分解して中の構造を分かろうする、などの興味関心が低下しているようにも感ずる。ネジが緩んだ段階で、すぐに覆いを外して手で絞めなおすだけで、今回のような致命傷にはならなかったはずである。ネジが緩むなんてことはよくあること。
 その際、例えば、羽根部のねじ切りは、通常と違って左回しが絞める方向であるというようなことも知るはずである。羽根は右回転なので、右回しでネジが切ってあっては緩んでしまう可能性が高く、反対になっていると気づくことは、モノづくりとして、知っていてもいいベーシックな知識なのではないか。
 昔は、電気器具のコンセント・プラグも一本のビズで止まっていただけので、分解して、緩んだ内部のコードを止める差し込み板のネジを絞めなおしたりしたものである。自分で電気工作なんかして、プラグに線をくっつけた。今はプラグは樹脂の成型でできているので、分解自体ができない。
 物を作ったり直したりして、俺が作った、俺が直したという「工作した感」を持つというのは、特に、男の子の場合、大事ではないのかな。現代はどんな行為でそんな気持ちが発揮されているのだろうか。
 羽根が傷んでいるので、高回転は全然無理。「弱」で使いなさいと言って戻した。

by hiyorigeta | 2017-08-13 03:17 | 日々の生活 | Trackback | Comments(0)

荷風散人宜しく金沢をぶらぶら歩きし、日々の生活をつづります。テーマは言葉・音楽・オーディオ・文具など。http://tanabe.easy-magic.com/


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