CTI復刻廉価盤に残念なところあり

 CD話のつづき。
 CTIレーベルの売れ筋盤は、何度も再発売されており、この前も、廉価盤が出て、それが売り切れたあたりで、また、値段を通常に戻したバージョンが発売されたりと、いろいろ動いている。
 それ以外の、どちらかというと地味な盤が、CTI五十周年とか銘打って、今回復刻されたけれど、パッケージを開けて驚いた。スリーブの紙は表紙だけで裏がない。LP発売時はダブルジャケットで、多くの場合、ピート・ターナーの芸術的な一枚写真が、表から裏表紙にかけて巻き込むように配されていた。それなのに、今回は表だけでばっさり切られているのである。写真が寸断されている。これでは台無しである。
 いい加減なものが多いジャズのジャケットの中で、このレーベルは、珍しいダブルジャケット仕様で、芸術的な意匠が施され、それも、このレーベルの魅力のひとつになっていた。製作者のクリード・テーラーは、単なる音源ではなく、はっきり売れる「商品」としてのレコードづくりを意識して作っていた旨、インタビューで答えているのを大昔読んだ覚えがある。
 ということで、高齢の彼が、これを見たら、きっと悲しみます。前回のは、同額の廉価盤ながら、ちゃんと裏表紙も印刷されていて、CD自体もブルースペック仕様。個別のライナー・ノートはなかったものの、汎用版のものが印刷されていた。今回のCDはブルースペックではないし、情報のほとんどない前置きのような短文が裏に印刷されているだけ。たしかに、いちいち個別のライナーつけていたら経費がかかるからとはいえ‥‥。これでは、雑な造りの輸入盤とあまり変わらない。
 色々な分野で、国産製品のコスト削減に励んだ挙句、そんな製品レベルなら、輸入品で十分ではないかとなって、国内企業が負けていった事例を知っている。日常生活用自転車なんて、完全に外国に押された。
 まあ、今、輸入盤がそう安くもないので、対価格比でこっちを買ってくれる人はそれなりにいるだろうけど、レート次第で、どうなるかわからない。
 今回は、同じレーベルで同じ値段なのに前回と製品グレードが違ったので、なお目立ったというところもある。せっかくの大好きなレーベルで、買い漏らしていたのを買いためようと思っていたにも関わらず、昔のLPの雰囲気が味わえないのは(このシリーズ買う人は、あの頃のことをリアルタイムで知っている人がほとんどだろうから)、なおさら、残念に思うのではないかしら。(おそらくあまり数が出そうもないので、製品のグレードを落とさないとペイできないと踏んだのだでしょうねえ)。
 LP時の内ジャケットも印刷されていないから、パーソナルの表示も、主要なメンバーだけであとは「アザーズ」で省略されているのも残念。

 さて、実際、このあまり有名ではないCTIの諸作を五枚ほど(タバコの意匠の「ベンソン&ファレル」など)買って、聞いてみた。
 うーん、確かに駄作ではないけれど、音に変化がなく単調だったり、アレンジが平凡だったり、どことなくインパクトが弱いものばかりであった。よく言えば、CTIにしてはソロが比較的長いという特色はあって、それを聞くべきなのかもしれない。売れなかったのは、むべなるかなという感じである。 
 というように、ここのところ、ちょっとまとめてCDを買った。冬の夜長、ゆっくり一枚一枚、聞きなおしていきたい。

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by hiyorigeta | 2017-12-09 20:42 | 音楽・ジャズ・オーディオ | Trackback | Comments(0)

荷風散人宜しく金沢をぶらぶら歩きしたり日々の生活をつぶやいています。文字ばかりですがご容赦下さい。時々日付をさかのぼってアップしたりします。http://tanabe.easy-magic.com


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