2015年 06月 19日
JPスタジオ公演「カシコギ」を観る
韓国でベストセラーなったという小説(趙昌仁原作)の舞台化という。劇団自体、韓国人を中心として結成された日韓混合キャスト。
白血病の息子タウムの回復を願う収入の覚束ない父ホヨンは、自身癌に冒され、角膜売買で収入を得るところまで追い詰められる。最後には、離婚した収入の安定している母の元に行くようにいい、死んでいく。
「もう、一人で生きていきたいのだよ。」と、息子に嘘をついてまで、子どものために身を引く父の心情は、判りやすく描かれ、これまで、子どもの立場でものを考えていた高校生たちには、離婚した者同士の、大人の気持ちなどもよく判り、感銘を受けたのではないかと思う。
例によって決して贅沢な作りではないが、演出(平田康之)でうまく話を展開させていた。丁寧な舞台であった。ここのところ、文化教室の劇といえば、安直なものばかりだったので、子どもに劇を見せる立場としては一安心。
途中、骨髄のドナーが日本にいるという話となって、骨髄バンクのPR話となる。骨髄バンクのPV(PRビデオ)にNegiccoが出ていて、数ヶ月前にサイトを覗いたことがあったので、骨髄バンクの話を次の日の授業で触れた。PR曲のビデオ「だいじなところ」も観ればいいよ、一見、アイドルソングそのものなんだけれど、途中から腰に手を当てたところが骨髄液をとるところだと、ビックリするくらいはっきり宣伝歌詞になっているよと、さりげなくPR。もちろんNegiccoのことには一切触れませんでした(笑)。
「骨髄液はハードルが高いかもしれないけど、献血は簡単だよ、献血したことがある人?」と挙手させたけれど、一人だけだった。若い人の献血者が減っているとは聞いていたが、確かにそのようである。