2015年 09月 10日
前回、ちょっとマスコミをほめたけど……
先日、ベテラン芸能人二人が、東京のある町を散策する番組をやっていた。ところが、紹介する店、紹介する店すべてが、かつて同種の番組で見たことがある店であった。あまりの新鮮味のなさに驚いて、他局の番組をそのままトレースしたのではないかと疑ったくらいである。
番組から番組を作る……おそらくそういうこともあるのだろう。
ただ、そうあからさまでないとしても、我々が評判のお店をネットで調べるように、各放送局の制作部署もネットで調べるのだろう。各社、情報源が同じだから、どの番組も同じになった、そう考えると、この重複現象の説明は簡単につく。
こうした、自分から新たな店を開拓して紹介しようとする努力が欠けている番組ばかりだと、テレビなんか見なくても、自分でネットで検索すれば事が済むということになってしまい、テレビメディアは、ネットの後塵を拝するメディアということになってしまう。テレビ局は、そんな立場を甘んじて受け入れるつもりなのだろうか。
さて、もしネットとテレビが同じ内容だったとして、それでもテレビが優位性を保っているところを考えてみた。
1 ユーチューブなどより映像がきれいで画面はパソコンより通常大きいので、迫力がある。
2 有名芸能人を使うなど、ネット映像よりお金をかけて豪華な番組作りができる。
3 テレビは、年齢の上の世代を中心にいまも大勢の人が見ており、日本全体への影響力は強い。
4 垂れ流しで番組をつけていて、その中に、偶然ほしい情報が混ざる時がある。ネットは意識的に調べねばならないので、そういう出会いは生まれない。つまりは、垂れ流しの効用。
など。ただ、もう、これといった大きな差異はない。我々自体、ネットだからテレビだからと区別する感覚も薄れてきている。どっちだろうと、結局、オリジナリティのあるほうを見る。