「スター・ウォーズ」の新作を楽しむ

 先日、遅ればせながら十二月封切り「スター・ウォーズ~フォースの覚醒」を観る。さすがにロードショウ末期のため館内は祭日の昼間ながら閑散としていた。シリーズ全作を映画館で観ているので、見損ねると残念に思うだろうと、重い腰をあげた次第。
 最近は座席がうごくものもあるらしいが、職場の同僚が子供とチャレンジし、気持ち悪くなったとかで、普通の座席。彼女は遊園地のアトラクションに二時間も乗っていた感じという言い方をしていた。3Dも何だか画面が遠くにあるような感じに見えるので、これも普通の画面で。
 製作はディズニー社に移行。監督もルーカスではない。中身は大人気となったシリーズ初作のリメイク といってもいいほど旧作をなぞっている。敵側に皇帝・悪のジェダイ・旧独逸軍風将軍。酒場のシーン、ヨーダ相当の役(今度は女性)。旧作を踏まえていてニヤッとする台詞も多い。デススターもどきを破壊する流れも初作と同じ。少々同じすぎて結末が見え見えで、出来レースのような気分になるのが欠点。(ハン・ソロ(ハリソン・フォード)が死んでしまうのだけは意外だったが……。)
 よく出て来ているし、シリーズを一切知らない人でも充分楽しめる。チューバッカ、レイア姫(もう初老)などお馴染みキャラクターも出て来て、新三部作よりも旧三部作の世界観なので、古くからのファンも安心する。大ヒットは納得できるが、おそらく通しで観たら、あまりに同じ話のように感じて、逆に違和感を持つはずである。楽しいエンターテインメントだったが、新鮮さがないのがちょっと残念。
 初期三部作(第4~6作)が完結してからもう何十年もたつ。四十歳代後半より上の人は、もう説明無用の世界だが、実はあとから付け足しはじめた第1~3作の最初の回の時、若い世代がさっぱり知らないということに気がついた。それからまた十年近くたつ。有名だが、実は旧三部作をよく知らないという人が半数を超える。そういう人にも対応しないといけないし、当時の盛り上がりをよく知っている人にも対応が必要だし、なかなか最初から製作のハードルが高い映画で、大変だったと思う。私は充分楽しめたし、懐かしいし、悪い印象はない。
 映画レビューは悪評好評あい混じる。「商業主義的懐古趣 味」「年寄りが喜んでいるだけ」などの意見がアンチ派。今やCGの凄さなどでは驚きもしない若い世代の評はかなり辛めである。私は、これは大人も子供も楽しめるファンタジーなのであって、これから新たなファンになってくれるはずの小さな子供たちが手に汗握って観てくれたかという視点で考えればいいのではないかと思う。いくつもの謎は残されたまま、ちゃんと次回作に繋げる用意もされている。観客ゲットのためのご挨拶はこれで終了。次回作は過去作にひきずられずに色々展開していくはずである。
 音楽は巨匠ジョン・ウイリアムスのままであった。帰宅後調べると高齢ながらご存命で、今回も新作としてしっかりお仕事をされたらしい。エンドロールの部分などは恐らく新しい譜面ではないかと思う。
 タワーレコードが出している隔月雑誌の記事によると、よくコンサートで演奏されるオーケストラ譜と実際のサントラ音楽は楽器編成が違うのだという。映画の方は管楽器が大幅に増員された譜で、管がより煌びやかに響くようになっているそうだ。道理で演奏会のほうは大人しく聞こえると思っていた。私は彼指揮ボストン・ポップスのCDを持っているが、おそらく、あれはオーケストラ通常人員譜である。
 また、生粋のクラシック畑の人かと思っていたら、もともとジャズ畑の人というのも初めて知った。最初、昔の映画のような古風な楽団の音でという条件で彼に発注した時、彼が本当に応えられるのか監督は心配したというエピソードも紹介されていた。どうやらオーケストレーションのヘル プもいるらしい。
 電子音を多用しないのは当初からのお約束で、生楽器が強調された音は「活劇」のワクワク感をそそる大事な装置であるというのがこのシリーズのコンセプトである。確かに、あの壮大なテーマが奏でられるだけでファンはワクワクする。宇宙戦闘機のバトル、基地や船内での射撃戦、昔ながらのチャンバラ。まさに「活劇バラエティ」である。
 有料で観たのは、昨年のジブリの「思い出のマーニー」以来。地方都市の映画館では、ちょっとずらして行けばガラガラというのもだいたい判った。シルバー割引で、いつ行っても千円ちょっとなので、もっと行けばいいといつも思うことなのだが……。 
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by hiyorigeta | 2016-02-13 20:38 | 観劇・映画 | Trackback | Comments(0)

荷風散人宜しく金沢をぶらぶら歩きしたり日々の生活をつぶやいています。文字ばかりですがご容赦下さい。時々日付をさかのぼってアップしたりします。http://tanabe.easy-magic.com


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