斥候

 「候」という字で「うかがう」と読んでいる漢文があった。意味は「探り見る」。ああ、だがら「斥候」(せっこう)というのだと、この軍事用語を理解した。
 でも「排斥」という時の「斥」は「しりぞける」。今回、それではおかしいはずだと、辞書をくってみた。その何番目かの意味に「伺う」とあった。なるほど、これで、「斥候」の意味が分かる。
 ボーイスカウトの時、戦略のフィールド演習のようなものがあって、この言葉をよく聞いた。「お前が斥候に行って相手の状況を報告せよ。」とかなんとか。
 「偵察」という意味だというのは子供でも判っていた。ただ、大人の今になって、ちゃんとした意味を知る。しかし、今の子供に「斥候」という言葉を例に出しても、もうキョトンとされるだけだろう。今や死語に近い。

 さて、肝心の「候」のほうをくってみると、
  1 うかがう
  2 さぶらう 
  3 まつ 
  4 ものみ 
  5 きざし
  6 とき・時節 
などがあがっている。

 ということで、「斥候」の時の「候」の字は「4 ものみ」の意味である。
 この字、「天候」とか「測候所」とかでよく見かける漢字である。しかし、現代人にこの漢字の意味を聞いたら、「さあ、天気の意味でないのかね?」と言われるのが関の山ではないかしら。古典の訳の「伺候する」から、2の意味を知っている人も少しはいるかもしれない。そもそも、昔から「候」と「侯」がごちゃごちゃな人は結構多い。

 でも、まあ……と思う。「斥候」という言葉が飛び交うような時代よりは、そんな言葉知らないという時代のほうがなんぼかよいのかもしれない。



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by hiyorigeta | 2016-08-17 21:33 | 文学・ことば | Trackback | Comments(0)

荷風散人宜しく金沢をぶらぶら歩きしたり日々の生活をつぶやいています。文字ばかりですがご容赦下さい。時々日付をさかのぼってアップしたりします。http://tanabe.easy-magic.com


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