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ハロウィン直前

 上着を脱いでもいいような一昨日、一転、この季節らしい朝夕の寒さが感じられる昨日と大きく温度は揺れながら、十月も終わろうとしている。九月に引き続き、全体的には暖かな月だった。

 さて、ここのところ仮装が過激になって、渋谷の町では規制が云々といったニュースが流れている。
 年寄り夫婦の会話。
 「ところで、これ、いつなの?」
 「確か十月の終わりごろ。最終日でなかったような気がするので調べてよ。」
 早速ウイキで調べる。古代ケルト人の収穫祭が起源で基督教とは無関係。ここまで読んで、そういえば、昔調べたことがあるなと気がついた。全然忘れている。日時は十月三十一日だそう。この土日、二十九日・三十日に人が繰り出すというのは、今年の暦の関係からにすぎないようだ。本当は次の日、晦日月曜日。

 「日本ではあまり馴染みのなかったハロウィンであるが、後述の1990年代後半より始まった東京ディズニーランドのイベントを筆頭として、各地でのハロウィンイベントの開催が増えたこと、さらに2000年代後半より菓子メーカーが相次いでハロウィン商戦に参入したことなどを契機としながら、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及にも後押しされて市場規模が拡大」(ウイキより引用)

 まさに実感としてもそんな感じの普及である。ここのところ毎年急激に派手になっている仮装。ここ田舎の繁華街ではどうなのだろうか。
 先々週、駅に行った時、若者のファッションを見て書いたものの没にしていた文章の断片を掲げる。

 「駅周辺は、お洒落な服装をした沢山の若者たちが歩いていた。雪国でフェーンのこの地方はファッション向いた土地ではない。ただ、この秋春こそ着飾りがいのある季節である。一年に二回しかないこの短い季節、お洒落のしがいのある若いうちにせいぜいお洒落をしておいた方がいい。最近は、そう思っているので、結構派手なお洒落をして闊歩している若者も暖かい気持ちで見ている。
 実際、ああ、若いうちにもっとお洒落をしておけばよかった。夏には勇気を出してビキニも着ればよかったと後悔の弁を述べていた五十歳代の女性を知っている。親しい真面目な三十歳代独身女性に、若いうちだよと、この種の話を言っているのだが、「いやあ、この歳では、なかなか……」とか言って、地味な格好を崩そうとしない。その時はそう思うのだろう。だけど、あの女性のように後で悔やむかもしれないと思わないでもないが、人それぞれである。それ以上どうとか言うわけにもいかない。」

 昔に較べ、若者は、真面目になって、おとなしくなって、ひ弱になって、いい子になって、がんじがらめにされている。一九六〇年代の若者の自由さと較べれば、それは一目瞭然。どこかでガス抜きが必要と考えれば、この一日限りの仮装というのは、仮面を被った自己を解放するための仮面(仮装)として必要なものなのかもしれないという気もする。昔の鎮守の村祭りとあまり変わらない。とすると、収穫祭であるハロウィンの本義とそう変質してはいないということにもなる。
 クリスマス、バレンタインと同じで商業ベースの作られた流行・風俗だけれど、その時代時代を生きた人の精神のありようで、その民族の文化は移ろう。それは眉間に皺を寄せるようなことではない。
 年寄りはスーパーに並んだハロウィン模様の包装紙をまとった限定袋菓子を買う程度だけど、若い人たちの特権である。せいぜい、過激にならない程度に楽しんで下さいね。



by hiyorigeta | 2016-10-29 08:11 | 季節の話題 | Trackback | Comments(0)

荷風散人宜しく金沢をぶらぶら歩きし、日々の生活をつづります。テーマは言葉・音楽・オーディオ・文具など。http://tanabe.easy-magic.com/


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