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カセットテープを聴いてみた

 ネットに「カセットテープ復権」という記事が出ていた。若者の間で、形のない音楽ファイルではなく、マテリアルとして価値を見なおす動きがあるという内容。
 ただ、現状、デッキもテープも一社しか生産しておらず、売っているカセットデッキもドルビー機能がないタイプ(パーツが生産されていないので、もう搭載できないという)。生テープもノーマルポジションのスタンダードタイプのみと、残念ながら復権はラジカセレベルにとどまる(ネットの記事の写真もラジカセが写っている)。オーディオレベルではもはや絶滅寸前である。

 早送り巻き戻しが壊れている我がデッキ。動くけれどきわめて使いずらいことになっていて、開店休業態。録音済みテープは捨てずに沢山持っているので、この記事に触発され、別部屋で放置されていたシスコンのカセットデッキを枕元のミニコンポに接続して聴いてみた。古い機械故、ドルビーももちろんついている。動かしてみたが傷みはなく完動。音も問題ない。
 あとはテープの状態次第といった印象であった。テープが劣化して皺がよったような音を出すものから、結構いけるものまで様々。もともと優秀デジタル録音のCDから録音したもので、テープもハイポジションの高級品を使っていたものは、ミニコンポレベルではCDとまず遜色ないレベル。よくよく聴くとピアノの単音が微妙に揺れ高音に抑圧感があることに気づく程度。例えば、ジャック・ルーシェ(p)のデジタル・プレイバッハものなどは感心するくらいいい音を保っていた。

 中には三十年以上前の演奏会の模様がオンエアされた音源をエアチェックしたものなどがあって、今となってはお宝。音はひどくても保存する意味がある。逆に、LPを録音したもので、今、そのCDを持っているものなどはテープを残しておく意義がほとんど失せている。どんと捨てようか、ちょっともったいない気もするが、かといって、今更、消去して他のものを録音しなおすこともないしで、あれこれ躊躇する。

 LPは捨てずにもっていて、アナログレコード復権の今、人生のお楽しみになっていて、捨てずにいて本当によかったと思っているが、はて、カセットの場合、ドルビーつきのいいデッキやハイポジ高級テープが再発売されて、LPのようにオーディオレベルで復権がなるかは正直怪しいところ。

 久しぶりに、テープの背表紙を見ていると、これを買っとかなきゃと思っていたクラシック音源を、実はテープで持っていたということに気づかされて、驚いた。そういえば、一時期、人様から借りてせっせとテープに録音したのだった。音はやはりそれなりにしか過ぎず、今はどんどんリマスターされて音質改善されているので、やっぱり最新リマスターCDは欲しいが、大まかな音だけなら充分テープでも内容を知ることができる。せいぜいテープも聴いてあげなくてはなあと思った今日この頃。
 ちなみに、同様なことは大量にあるMDでも起こっている。



Commented by renchiyan3 at 2016-11-03 05:22
おはようございます
デッキの故障ほとんどがベルトの劣化が多いので直してくれる
ことが多いですよ 問い合わせてみてはどうでしょうか
私5、6年前随分古い機種ベルト交換してもらいました
Commented by hiyorigeta at 2016-11-03 19:44
ありがとうございます。検討してみます。自分で分解してみたらダメかなとも思っています。
by hiyorigeta | 2016-10-30 22:17 | 音楽・ジャズ・オーディオ | Trackback | Comments(2)

荷風散人宜しく金沢をぶらぶら歩きし、日々の生活をつづります。テーマは言葉・音楽・オーディオ・文具など。http://tanabe.easy-magic.com/


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