メディアの変遷(Ⅱ)

 昨日と同様の話をいくつか。
 映像記録の規格、一時期VHSとベータの競争があって、家にベータのビデオテープも少しあったのだが、使えなくなり捨てた。VHSで映画やコンサートのビデオを買ったり、スキーに行ったりした時の記録があるのだが、数年前にデッキが壊れて捨てて以来、見れなくなっている。特にDVDに移管するというほど愛着のある映像がある訳でもないので、そのままになって、今、物置に放置状態。かなりの本数捨てたが、まだ結構ある。現状、若い頃の動いている自分を見ることができなくなっている。

 MDは大量にある。機械の製造は終わっていて、これも死にかけているメディア。今は枕元のミニコン、ポータプル録再機、それに車で使うことができるので、我が家ではまだ現役。アナログテープをCDに焼く機械は販売されているが、デジタルからデジタルへは法律上できないので、素人が手軽に移管する時はアナログ再生を録音しなおすことになり、手間がかかる。いずれVHSと同じ運命を辿ることは確実。

 紙に焼く写真も同様に危ない。写真は今の若者はスマホで撮る。それをラインで流すので、いちいち焼いたものはいらないようだ。
 実際、半年前、行事の後の集合写真を、ちゃんとしたカメラで撮った後、子供たちの希望で彼らのスマホでも撮っていた。せっかく記念である。毎回焼いて渡していたがのだが、このご時世だと思って、一応、欲しいか聞いたところ、全員一致で不要との答えだった。なんだ、そうしたら、カメラで撮ること自体不要ではないか。焼くのはやめにしたが、ちょっと淋しくなった。
 先日のこと。集合写真を人数分焼いて、一人一枚もっていくように言ったが、いつまでたっても何枚も残ったままになっていた。以前は、後日配ると、わあわあ言って写真を見て喜んでいたのだが、今は撮った瞬間、共有されて、それで終わり。後日、楽しむということがなくなっている。現代は、写真楽しみのうちのいくらかが消失しているような感じに思えた。
 いずれにせよ、彼らにとって紙メディアはあまり大事だと思っていないということはよく判った。

 ところで、と思う。彼らはメモとしても写真をどんどんスマホで撮る。黒板や掲示板の連絡事項など。昔なら手帳に書き取っていたもの。便利な使い方である。ただ、その結果、機械のお腹やライン上に撮っておくべき記念写真やらすぐにゴミになるメモ写真やらが、ごちゃごちゃと混在している訳だが、その整理をしっかりしているのだろうか。これは大事な集合写真だから、PCのハードディスクに移管しておく、これはゴミだから捨てようとかとか。
 もししていないと、大量のゴミに紛れて判らなくなってしまわないかしら。そして、スマホを替えた時に移管しなかったとか移管に失敗したとかが起こらないかしら。それに、長期的には、これまでに触れたメディアの興亡や、今回の一太郎のように、ファイル形式が違って開かなくなるとか、色々なハードルがあって、何十年後に、しっかりその写真ファイルが手元に残って保管されているという状態がキープできているだろうか。私はかなり怪しいように思う。歳をとって青春時代の自分を見たいと思った時、なんにも残っていないという事態が人によっては起こっていそうである。私に私の映像記録が保存管理できておらず、もう見られなくなったのと同様、彼らは写真さえ手元にないということになるような気がする。まあ、若い世代の人のことである。年寄りが心配することではないのかもしれないが、これを広く言うと、社会保険庁の個人年金記録がばたばたになったのも、電算化への過信があったらからで、移ろうメディアに大事なことを任せていると、この二十一世紀、こんなに情報があふれかえっている割には、何千年後、まったく記録が残っていない時代と言われるに違いないと、私はかなり確信的に思っているのだが、思い過ごしかしらん。

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by hiyorigeta | 2016-11-09 21:47 | 日々の生活 | Trackback | Comments(0)

荷風散人宜しく金沢をぶらぶら歩きしたり日々の生活をつぶやいています。文字ばかりですがご容赦下さい。時々日付をさかのぼってアップしたりします。http://tanabe.easy-magic.com


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