語りを聴く

 職場で、地元在住の「語り」の専門家による朗読の会が行われた。前半は、茨木のり子の人となりを紹介しながら代表的な詩を語るというもので、初めて触れる子供たちにとって分かりやく構成されていて、うまいものだと感心した。
 また、後半の童話は、感情込めて語っていただき、情景が目に浮かぶようだった。まったく本を見ないで話していくのには驚いた。さすが専門である。

 最後に、私がまとめ役ということで、こういう話をした。
「我々は、文章を黙読したり映像で見たりすることばかりで、耳から詩や物語に触れるめことがほとんどありません。国語の時間の評論読解は、おそらく脳の大脳皮質あたりで処理していますが 、こうして詩の朗読を聞くと、簡単な言葉だけにいったん脳を通過して心の部分にすっと降りていきました。これは最近めったに経験しない心の動きでした。次の物語は、脳裏に情景を浮かべよういろいろ心が努力していました。これも映像を見るだけではしない動きです。今回の「語り」のお陰で、忙しい俗世から離れて、別空間に浸ることができた素晴らしい体験でした。」

 こうした催しものは初めてという人や小学校以来という人がほとんどの中、感想コメントも私のまとめと同様なものが多く、皆、新鮮に受け止めたようだ。声を出して読み聞かせるという行為がいかに重要かを、昨年に引き続き実感した。この商売をしておきながらおろそかにしている自分をちょっぴり反省。大昔は、物語などをこち らが一部朗読していたこともあったのに。最近は家で読んでおけですましている。

 さて、先日、図書館で購入する本を関係生徒とともに本屋に行って選んできた。そこで私は「茨木のり子の家」なる本を見つけ、購入図書として選んだ。
 中を見ると、一年前この日誌で触れた、彼女の家の外観や内部が写真でいろいろな角度から紹介されていて、ところどころに彼女の詩が入る体裁。部屋内部は調度品も含めてそのまま保存されいて、「寄りかからず」に出てくる椅子なども写っている。
 その本を読んでから、おはなし会に参加したのだが、「Y」の字が書かれた文箱や、生前に書かれた死亡案内状文案など、この本に載っていたものを次々話者が紹介していくので、驚いた。それならばと、このまとめ の話の時に、ここにこういう本がある紹介することにした。「すでに配架処理されてあるので、借りられますよ」と大宣伝したのだけれど、結局、誰一人借りなかったのは、あれだけ、アンケートでこの会はよかったと言っておきながらと、ちょっと残念であった。
 今の子は、こうしたところを深めていかない。あっさりと次に行ってしまう。
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by hiyorigeta | 2016-12-22 18:10 | 教育・世相 | Trackback | Comments(0)

荷風散人宜しく金沢をぶらぶら歩きしたり日々の生活をつぶやいています。文字ばかりですがご容赦下さい。時々日付をさかのぼってアップしたりします。http://tanabe.easy-magic.com


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