2017年 01月 23日
業界雑感
ハロプロ・エッグ馘首組の「アップアップガール(仮)」が昨年十一月に武道館ライブ。四千四百人しか集まらなかったのに対して、後輩の「ジュース・ジュース」は前日に武道館満員。そのアプガ。人は集まらなかったが、氷柱割とかお神輿とかの奇抜で精一杯の演出で、業界的には注目されたという。一度挫折した人たちは強い。次の武道館に向けて頑張れ。
元モー娘。の田中れいながリーダーの「ラベンダー」は、ロックバンド・スタイルで異彩を放っていたが、売りのツイン・ギターの一人、美人でテクニック 抜群の魚住が辞めてしまい、楽器はギター一本と淋しくなった。サポートメンバーへ依存度が高くなり、バンドとは言えなくなる。残された美人ロッカー宮沢茉凛(g)のソロワークの成熟に期待。
老舗芸能事務所サンミュージック所属の「さんみゅ~」は、一昨年昨年とメンバー一人ずつ去っていって(山内・長谷川)、結成当初九人だったのに、今は五人。 ベッキー事件の余波で、去年は新曲は用意されていたのに、シングルとして出せず、今春ようやく両A面で出せることとなった。なかなか苦労している。
その他、以前、Negiccoとのコラボもあった大阪の「エスペシア」は、昨年度、二人を残して辞めてしまい、上京後、一人新加入して三人体制で再起を図ったが、結局、今春解散とのこと。このグループはこれで消滅。
「リリカルスクール」もこの二月末で数人やめて、その後、新体制になるという。
地方アイドルとしては、金沢で活動していた「おやゆびプリンセス」というのが、残った二人も卒業して、名前だけ残し、今後、新メンバーで再スタートすると地元新聞が報じていた。
この世界、なんとも離散が激しい。Negiccoが縁で、どことな くこの業界の事情が見えてくる。
最初は、若い女性ばかりなので、仲たがいが原因かと思っていたが、どうやら、仕事としての不安定感や低賃金が主な原因であるようだ。中学・高校の年代ならともかく、十八歳を超えた大人として、一人前の収入が保証されていない場合が多いらしい。頑張ってはいるが売れず、多くのアイドルは、二十歳すぎても親がかりだったりする。ちゃんとした給金をもらっているのは、ごく一部。この業界、意地悪く見ると搾取の世界であり、反対に、運営側から見たら、収益が上がらない以上、仕方がないという世界である。夢破れどんどん辞めていくのも無理はない。ボーカリストやダンサー、タレントとして大成する人は稀。学業・教養・一般常識がおろそかのまま大人になっ ていく自分を見つめ、行く末に前向きな明るさを感じなくなった時点で、この仕事は終了である。
先日、「タワレコ感謝祭」があり、傘下のアイドルたちが第三回腕相撲大会で盛り上がった。
連覇を狙う子(森咲樹)は一所懸命筋トレをして、もうアイドルとして方向性はどうなんだろうというくらいの頑張りで、万全を期して臨んでいた。決して大売れしているとは言えないこのインディーズ・レーベルのアイドルたちは、本当に一所懸命、取り組んでいて、応援のファンも、それを大いに楽しんでいた。ネットで一部観ただけだが、なんとも楽しそうで平和な光景。そういうことができていること自体、ファンも本人たちも幸せなことだという気持ちになる。来年、再来年、それぞれのグループが どうなっているか本人たちでさえわからない不安定な世界で、このほんのひと時は、大金とは無縁の、小さな小さな平和な世界そのもののような、稀有なもののように思えた。
アイドル辞めた後も含め、皆のこれからの人生に幸あれ。