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大蔵映画見つけた


 年末、日活ロマンポルノ復活の新聞記事があり、地味に職場で話題が出た。日活が左前となり、ロマンポルノ路線に変更したのは、私がまだ未成年のころ。なので、初期作品は、全然、知らないが、全盛期の後半あたりからなら知っている。大学生時代、後学のため(?)と、最初に観に行った時のことはよく覚えている。新宿の大きな映画館。最初、空きがなく、立ってみていて、途中椅子席が空いて座れたくらいの大盛況。当時はそれだけ人が入っていたのだ。観客は大人ばかりでドキドキした覚えがある。もちろん、お約束通り、ほぼ十分に一度、そういうシーンはあったが、思ったより、ちゃんとした筋のちゃんとした話なのだなというのが、その時の第一印象。
 それ以来、夏の暑い時、クーラーがわりに旧作三本立てなんていうのもみたりした。ちょっとエロチックなラブコメディという言い方がぴったりの「桃尻娘」なんかは結構世間的にも話題になった覚えがある。そういえば、ポルノ界の聖子ちゃんなんて子もいたなあ。
 これは斬新な映像だとか、ちゃんと大人の気持ちを描いているなあとか、お話として心を動かされる話だったなあとか、映画としていいものがたくさんあって、そんな映画を撮った監督は後に名をあげていて、見ていた私もそうだろうなと思ったという話は昔書いた覚えがある。大人は大人として男女交渉を含め色々思っていることがあって、それを普通包み隠して描かない部分も、ちゃんと描いているだけと思えば、まさにそれは大人を描いているということになる。

 そうした日活にほかに大蔵映画というのがあって、これは、本当に低予算で志も低く、昭和の当時も古臭ささ満載であった。下宿先近くに上映館があったので、二十歳前、一度だけ見に行って、以後やめにした。若かったし、自分よりずっと年上の女性(つまりは、おばちゃんに見えた)が主人公の成人映画では、気持ち的に盛り上がれなかったということもあっただろうと、今思えば思う(苦笑)。
 数年前、ネットで、いまだに大蔵映画というのがあり、浅草に立派な専門上映館があり、フイルムで撮っているということを知った(ただ最近フイルムではなくなったそうである)。ポスターなども、あのころ場末の映画館に貼ってあったような昭和感満載のもので、内容も「団地妻」的なもので、まさに当時のままの雰囲気のようだ。 
このことをどうして知っているかといえば、その館のマスコットガールを務めていた星野ゆずという子がNegiccoファンだったからで、ネット検索で見つけて、ブログを読んでいたから。今はその子も急に姿を消して、もろもろ削除されてしまい、影さえほとんど残っていない。
 関係者は、昭和の文化を守ろう、火を消すなという意識でやっていて、ここまでくると、もう確かに文化の領域で、よくご商売として成り立っているなと思うし、観に行くお客もそんな気分でいくのだろう。一度観ただけの会社の映画だが、妙に応援気分になったことだった。今観たらどう思うかしらん?

by hiyorigeta | 2016-12-23 20:30 | 観劇・映画 | Trackback | Comments(0)

荷風散人宜しく金沢をぶらぶら歩きし、日々の生活をつづります。テーマは言葉・音楽・オーディオ・文具など。http://tanabe.easy-magic.com/


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