2018年 09月 26日
恩師逝去
これで、大学時代にお世話になった近代文学が専門の四人の先生全員が鬼籍に入られたことになる。無理もない。不肖の弟子たちがもう定年の声を聞くような「年寄り分類」になっている。四人の先生のなかでは、当時中堅でお若かった。今、習った時の先生の年齢より、もう我々は二十年近く長生きしている。先生は八十歳代前半だったはず。
別のゼミ仲間からのメールには、ついこの前、先生宅に季節の果物を贈ったところだったそうで、それが、そのまま「供物」になってしまったと書かれていた。
私は、年賀状縮小路線で、最近、ほとんどのゼミ員と連絡をとっていない。いつもお世話になっているこの律儀なゼミ仲間に、連絡できる範囲で宜しくお願いしますというメールを打つ。
数か月前、久しぶりに「山月記」の授業をした。その時、先生から習ったことを思い出して、話題に出した。「私は中島敦の専門家に習ったのだよ、この作品には色々な説があってね……。」というような具合。
それが、供養にはならないかもしれないが、私自身のせめてもの慰めであるかのように感じた。
数日後、参列した彼から葬儀参列の報告メールがあった。遠く四国から出席した仲間もあったということで、我々の代のゼミ員としてちゃんと最後の挨拶ができてよかったという思い。参列にいった仲間に感謝。