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恒例のいけばな展を観る

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 先週金曜日、各流派合同の四季の花協会展を、武蔵が辻のデパート催事場で観る。もう一年たったのかというのが正直なところ。去年は、見終わって、催事場同階にある石見地方の物販販売のお店で、その辺の雑草を枯らしたまんまという見た目のほうじ茶を買って、それがまだ茶筒にあるというような状態。あまりの野趣溢れるお味に、手こずり気味ゆえ減らなかった。
 もう毎年のことなので、どの流派がどういう作風かというのは、さすがに判ってきた。花器も含め芸術的創作的でモダンなのが池坊。緑中心で、中心に花を置き色を引き立てるといったオーソドックス手法が目立つのか嵯峨御流というイメージ(違うかしらん?)。今年は草月流の出品が少なく寂しい感じだった。次代を見据え、こどもの作品がいくつか並んでいたのが今年の特色。

 見学前に近江町市場をぶらぶら。午後もだいぶ過ぎていたので、鮮魚の店は店じまい時で、青果店が目立っていた。相変わらず観光客中心で、半々以上の割合。昔利用していた店で閉店した場所は、大抵、海鮮丼など観光客向け飲食店に変わっている。この市場、飲食店が本当に多くなりました。
 前にもこぼしたが、メインストリートを外れた裏通りに、規格外野菜を破格値で売る庶民にうれしい店があったのだけど、見当たらなくなって、表も裏も、品物はいいもので値段もそれなりという感じになった。これでは、ご近所の個人営業のミニスーパーのほうが主婦にやさしい。
 ということで、せっかく市場に行ったのに、買ったのは、世界の食材を集めた地元では昔唯一だったお店で香辛料・調味料を幾種か。この種のお店も「カルディ」などが進出してきて、そう珍しくもなくなって、無理に市場まで買いに来る必要がなくなってきている。

 市場入口、キャスターついているキャリーケースの横で携帯で連絡とり合っているいる、黒いパンツスーツのお姉さんなぞ、もう絵にかいたような旅行添乗員さんである。ビジネスウーマン然とした感じが市場の雰囲気とえらくそぐわない。

 GWが終わって喧噪も落ち着いた平日の午後遅めでもこれだけの人。でも、旅行者は野菜買わないだろうから、午後の売り上げ的には、後発出店の観光客向け商売の方が分がいいのかもしれない。地元民が賢くここを使うには、平日の午前早め、観光客が押し寄せる前に、地元民用の目玉品を買うというのが手なのだろうなという推測はできました。ちゃんと利用者もお店も心得て共存共栄の道を探っているはずです。
 何十年も前、当時、新業態で、新鮮でモダンにうつったスーパーマーケット業界に押されて、庶民的なこうした市民市場は田舎くさく古めかしいイメージとなり、私が浪人していて時々ここを通った頃は、客も見るからに減少していて寂れていた。
 幼少期、金沢市民にとって買い物といえばここで、いつもごった返して繁盛していた頃のことを知っている者としては、今は客筋が違ってしまいましたが、何を言っても、栄えているのだから、決して悪いことではないとも思えます。


by hiyorigeta | 2019-05-21 06:48 | 行ったところ | Trackback | Comments(0)

荷風散人宜しく金沢をぶらぶら歩きし、日々の生活をつづります。テーマは言葉・音楽・オーディオ・文具など。http://tanabe.easy-magic.com/


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