2019年 11月 17日
コロンビア交響楽団って何?(LP談義1)
以下は、前日稿からの派生雑談。
おそらく、中古LPでないと、ワルターなんて買わなかったと思います。オケは「コロンビア交響楽団」と書いてありました。名前からして、録音するための臨時編成オケだということくらいはすぐ分かりましたが、ウイキを読んで実態を知ると、驚くことばかりでした。西海岸録音の盤は、ハリウッドの映画音楽のための奏者が多くを占めるそうで、手元にある「第九」なぞ、合唱が入る第四楽章だけが東海岸録音で、同じ交響楽団の名前になっているものの、中身はまったく別物だとか。一聴しただけでは全然気がつかない。
戦前からの三大巨匠のうち、ワルターだけ、当時の私のイメージでは、なぜか現役感があった理由も分かりました。老齢のワルターにステレオ録音の意義を説いて、この臨時編成のオケで、ステレオ再録音をコロンビアは次々にしていったのですね。フェルトベングラ―やトスカニーニがモノラルの古い録音ばかりなのに、ワルターは、(当時の)最新録音で残ったので、十年後、私が聴きはじめの時代に、カタログにメインで堂々と残っていても何の遜色もなかったからなのですね。
ジャズにも、面白いエピソードがありますが、クラシックにお詳しい方は沢山そういうエピソードを御知りでしょうね。指揮者なんて変人奇人・独裁者揃い、ジャズの比ではないのかもしれません。
それに、こんな裏話は、そもそも巨匠の話ですから、クラシックファンの間では、基本中の基本の話なんでしょうね。ジャズで言うと、マイルスの喧嘩セッションとか、マラソンセッションとかのレベル。
ジャズでもクラシックでも、「ステレオ以前」まで守備範囲を広げないというのがこれまで暗黙の心のストッパーになっていたので、ワルターはぎりぎりですねえ。