2020年 08月 19日
そっくりのレコードプレーヤーが沢山あるのは |

カートリッジ話が一段落したので、最後に、もう一度戻ってレコードプレーヤーのお話。これもアナログ趣味の人以外はスルーしてください。
テクニクス(パナソニック)のダイレクトドライブの人気プレーヤーSL-1200シリーズは、最近、復活して、バリエーションも増やしていますが、オーディオファンは、世の中に、そっくりさんプレーヤーがたくさん出回っているのを知っています。私の機種(DJ-4500)もそのひとつ。なぜこうも同じデザインのものが各社から出ているのか、前から不思議で、少し調べてみました。
これらは皆、中国生産のコピー商品で、ハンビン(漢品)という電機メーカーの製造のようです。ここは世界各社からのOEMを受付け、それぞれのメーカーの要望に合わせて、少し変えて、各社が自社の製品として発売していたということのようです。私の買ったのはコスモテクノというあまり聞かない会社のもの。ブランドにこだわらないのなら、安価で音が素直でよいという評価でした。同社には下位機種もありましたが、高音質設計をうたうこちらにしました。私の機種は買ってほどなく販売がCEC社に移譲され、しばらくして販売停止となりました。
パイオニア・ブランド名では、かつて安価モデルと少々お高いモデルがありましたが、高い方は、よい部材を使っていて、このコピープレーヤー群の中では、お金がかかっているベストな製品のように思っています。スタントンのものも筐体の見た目こそ大きく違っていますが、中身は同じと思われ、これもグレード別に何種類かありました。他にデンオン、RELOOP、NEUなど。本当に各社から出ていました。
現行機種で、はっきり漢品OEMと分かるのはスペック社のAP-70という機種で、私の機種とぱっと見で区別できないくらいですが、性能表を子細に較べてみると、細かいところで少し違っていました。
パナソニックが製造を再開し、廉価グレードなら、あと少し出せば本家を買えるので、以前ほど、これらコピー製品の需要はなくなったように見えますが、長く流通していたので、この普及帯プレーヤーは、全世界に溢れています。こうした元をたどれば一社というのは、グローバル社会では、色々な分野で目につく現象ですね。
ただ、そのデザインが、大ヒット作の完全そっくりさんで、本家パナソニックはどうしてそれを許しているのかという疑問が湧きます。一番それらしい説は、本家の製品が途中から中国生産となったので、おそらくハンピンで生産されていた。アナログが落ち目になっている間、そのノウハウを利用して、各社OEMを引き受けた。だから、少々質が落ちていると評されるテクニクスの後期型と他のコピー商品は、実は中身は一緒で、本家も大声でコピーだと批判できないという事情があるのではないかというもの。
テクニクスは、新しい1200シリーズを再始動する際、金型が失われていて新たに作り直したとコメントしていました。それを読んだ時、私は、元々の金型は今もハンピンにあって、現在、テクニクスはここと関わっていないから、どうしようもないのだなと思ってました。もちろん、勝手な推測です。
そうして、本家が再開して作ったものも、以前の製品をそっくり踏襲したデザイン。だから、なおさらアナログ・プレーヤーは発売メーカー違えど同じデザインのものが世に溢れることに。
だいたいのところは、こう推測できるのですが、肝心なところは契約とか権利とか色々事情が絡んでいるようです。これ以上、公になることでもないので、勝手な推察もこれで終わりにします。
本家テクニクスやパイオニアなどは、DJ用途として定評を得ていました。実際使っていても、ダイレクトドライブなのでトルクがある。止まるときもブレーキがかかってすぐに止まる。ベルトの劣化の心配もないなど、日常の取り扱いやすさは満点です。
アナログの音はカートリッジで決まる。入門用でお安い機種ですが、音に悪影響を与えないボディで、その分、カートリッジ交換とか針交換で色々遊べる。私のような「プア・オーディオ」にはもってこいです。
以前と違って、よいアナログ・プレーヤーが各社から発売されている今、高性能の高級機にもあこがれますが、今現在は、これをベースにしてあれこれやっています。
追記
最近、細川克明「TechnicsSL-1200の肖像」(リットーミュージック)という本が2019年に出ているのを知りました。このプレイヤーの歴史が分かります。ご参考までに。(2023.9)
by hiyorigeta
| 2020-08-19 12:03
| 音楽・ジャズ・オーディオ
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